管理会社との付き合い方
マンション管理組合を存続危機から救うための解決法③
管理会社との付き合い方
いまマンション管理組合は、区分所有者の高齢化や建物の老朽化という2つの老いに加え、管理会社の撤退という新たな問題に直面しています。管理会社との付き合い方を考えることは、マンションの存続にとって欠かせない重要なテーマの一つなのです。それでも、どうしたら良いかわからなくて管理会社との付き合い方に悩んでいる管理組合は意外に多いのではないでしょうか。 今回は、管理会社との付き合い方に関する具体的なアドバイスを6つご紹介します。
1.コミュニケーション
管理会社のフロントマンとのコミュニケーションを密にする 管理会社との付き合い方で最も重要なことは、フロントマンとのコミュニケーションです。フロントマンは、管理組合と管理会社の間に立って、管理業務や修繕工事などを進める人です。フロントマンと良好な関係を築くことで、管理組合の要望や不満がスムーズに伝わり、管理会社のサービスレベルが向上する可能性があります。 フロントマンとのコミュニケーションを密にするためには、以下のようなことが有効です。
- 定期的に面談や電話を行い、管理業務や修繕工事などの進捗や課題を確認する
- 管理組合からフロントマンへの連絡窓口を一元化し、情報伝達を明確にする
- フロントマンから提出された書類や報告書をしっかり読み、質問や意見を伝える
- フロントマンが提案した内容に対して、理事会で検討し、早めに回答する
- フロントマンが頑張ったことや成果を認めて褒める
2.管理会社の業務内容や報酬を定期的に見直し、適正な水準に保つ
管理会社は、管理組合から委託された業務内容や委託報酬に応じてサービスを提供します。しかし、管理会社の業務内容や報酬は、管理組合との契約によって決まります。管理組合は、管理会社との契約を定期的に見直し、適正な水準に保つことが必要です。 管理会社との契約を見直すためには、以下のようなことが有効です。
- 管理会社の業務内容や報酬を他の管理会社と比較し、相場や差異を把握する
- 管理会社の業務内容や報酬に対して、管理組合のニーズや予算に応じて交渉する
- 管理会社との契約を更新する際には、契約書の内容をよく確認し、不明点や問題点を解消する
例えば、ある管理組合では、管理会社との契約更新時に、業務内容や委託報酬の見直しを行い、管理費用を節約することができました。また他の管理組合は管理会社を変更し、業務委託料を削減しました。
しかしこれはあくまで利益相反する双方の適正点を見つけるのが目的です。安易な管理会社の変更はお勧めしません。一般的に管理会社の変更は何らかのトラブルが原因と受け取られることが多く、メリットよりもデメリットのほうが大きいと認識されています。管理会社との長い付き合いには妥協することも肝要と心得てください。なによりWin-Winの関係を築くことが大事なのです。
3.管理会社の評価やフィードバックを定期的に行い、改善点や要望を伝える
管理会社は、管理組合から評価やフィードバックを受けることで、自らのサービスレベルを高めることができます。管理組合は、管理会社の評価やフィードバックを定期的に行い、改善点や要望を伝えることが必要です。
- 管理会社に対して、評価基準や評価方法を事前に明示する
- 管理会社の業務成果やサービス品質を客観的に測定し、数値化する
- 管理会社に対して、改善点や要望を具体的かつ明確に伝える
気を付けなければいけないのは、管理会社はあくまで管理組合がやるべき業務を請負契約によって代行しているに過ぎないということです。請負契約に記載されてない事柄を要求してはなりません。本来、管理組合が考えるべきこと、やらなければいけないことは管理組合がしなければなりません。
4.管理会社の内部事情や人事異動に関心を持ち、情報収集や対応策を行う
管理会社は、内部事情や人事異動などによって、サービスレベルや業務体制に変化が生じることがあります。管理組合は、管理会社の内部事情や人事異動に関心を持ち、情報収集や対応策を行うことが必要です。 管理会社の内部事情や人事異動に関心を持つためには、以下のようなことが有効です。
- 管理会社の経営状況や業界動向などに目を向ける
- 管理会社のフロントマンや担当者の入れ替わりや異動などに注意する
- 管理会社の内部事情や人事異動による影響やリスクを分析する
例えば、ある管理組合では、管理会社が経営危機に陥ったことを知り、他の管理会社に見積もりを依頼し、契約切り替えの準備をしました。また、別の管理組合では、フロントマンが異動することを知り、新しいフロントマンと早期に面談を行い、管理組合の状況や要望を伝えました。常に先を読んでおくことが大事です。
5・管理会社と協力して、区分所有者への情報提供や啓発活動を行う
管理会社は、区分所有者への情報提供や啓発活動において、管理組合の協力者となることができます。管理組合は、管理会社と協力して、区分所有者への情報提供や啓発活動を行うことが必要です。 管理会社と協力して区分所有者への情報提供や啓発活動を行うためには、以下のようなことが有効です。共同作業はお互いの信頼に繫がります。
- 管理会社に対して、区分所有者への情報提供や啓発活動の目的や内容を明確にする
- 管理会社に対して、区分所有者への情報提供や啓発活動の方法や手段を提案させる
- 管理会社と共同で、区分所有者への情報提供や啓発活動の資料やツールを作成する
例えば、ある管理組合では、管理会社と協力して、修繕工事に関する説明会や見学会などを開催催し、区分所有者の理解と参加を促しました。また、別の管理組合では、管理会社と協力して、住環境改善アンケートを実施し、共用トイレのウォシュレット化やAEDの設置を実現しました。
以上、管理会社との付き合い方について、5つのポイントをご紹介しました。管理会社との付き合い方は、管理組合の運営やマンションの価値に大きく影響します。管理組合は、管理会社との付き合い方を見直し、話し合いによってより良い関係を築くことができるように努めましょう。
さいごに、管理会社はあくまでマンション管理組合の業務を代行して利益を追求する立場です。管理会社にとって必要のないことや不利益なことはまず提案のテーブルに上がってきません。ここに不満を持つことは筋違いになります。客観的に管理組合の運営を見直したり、資産価値に影響する長期的な判断や重要な決断をする時は、管理会社ではなく、マンション管理の専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。
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