なぜマンション管理士が必要なのか
それはあなたのマンションの資産価値を守るためです。
マンション管理においては専門家の存在が非常に重要です。現在、日本のマンションは多くの深刻な問題に直面しています。建物の老朽化、住民の高齢化、資金不足、役員のなり手不足、住民トラブル、災害対応等々、これらは管理会社ではなく管理組合が全面的に取り組むべきものですが、役員の人材不足に悩む管理組合では解決が難しいものばかりです。
日本のマンションの管理組合は、組合員である区分所有者によって運営されています。しかしながら、組合員にマンション管理に必要な専門知識や経験が十分に備わっているとは言えません。
マンション管理には、幅広い専門分野の知識と豊富な経験が要求されます。
マンションは管理がしっかりなされていれば100年持つと言われています。逆に杜撰な管理が行われれば、急速にスラム化が進行するとも言われています。マンションの管理は資産価値を守るうえでの、最も重要なファクターなのです。
ヨーロッパではマンションの管理に長い歴史があり、国家資格の専門家による直接管理が主流です。外部専門家が管理事務を執行し、これを管理組合が監視・監督するしくみです。
日本はマンションの歴史が浅く、欧米とは少し異なりますが、2001年施行の「マンション管理適正化法」によりしくみが整備されました。それまで野放しであったマンション管理業者が登録制になり、組合資金管理方法の整備が行われ、様々な規制や罰則が制定されました。同時に管理業者側に「管理業務主任者」、管理組合側に「マンション管理士」の2つの国家資格が生まれました。
このような背景で生まれたマンション管理士は、管理組合の指導・助言をする使命を持った専門家です。しかし残念ながら、日本ではマンション管理士を採用している管理組合はまだ多くありません。
その理由として挙げられるのが「必要性を感じない」「費用がもったいない」「管理会社で十分だ」といったものです。
果たして本当にそれで大丈夫でしょうか。
管理会社は管理組合の期待に応えてくれているのでしょうか。
マンション管理士は、管理組合側の立場で管理組合に指導や助言その他の援助をします。必要であれば理事、役員の教育をします。マンションの長期的な維持や管理に関わる問題解決の局面で重要な役割を果たします。
マンションの管理運営を行うには、少なくとも民法から区分所有法、住宅品質確保法、不動産登記法、建築基準法、都市計画法、水道法、消防法、警備業法などの法令や法律に関する知識が必要です。加えてマンション管理適正化法や標準管理規約にも通じていなければなりません。法律に沿った判断に導くのはマンション管理士の重要な使命です。
さらに財務面や会計面での知識も欠かせません。将来、資金不足の事態に陥らない為にも、予算編成や資金管理、経理処理などの財務業務は、専門家のアドバイスと指導が必要です。必要ならば積立金改定の後押しもマンション管理士の大事な役目です。
そして建物や設備の維持保全に関する知識も重要です。管理会社から提案された定期的な点検や修繕の判定、業者との適切な契約管理など、専門的な知識がなければ適切な判断、適切に近い判断はできません。ベストプラクティスを助言するのは専門家の仕事です。
管理組合の運営はうまくいってますか、知識や経験不足で困っていませんか、新しい情報を知っていますか。金額が大きいほど、問題が難しいほど、素人判断は余りに危険です。
マンション管理士の存在は、マンションの資産価値を維持し住民生活の安定を確保するためにあります。専門家の助けを借りることで高いレベルの管理を行い、あなたのマンションの持続可能性を確実なものにしていってください。
理想のマンション管理体制は、「管理組合」と「管理会社」と「マンション管理士」でスクラムを組む三者共同運営です。共に目指すのは100年持つビンテージマンションです。
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