まずは相談する勇気を持ってください

マンション管理組合はいま多くの問題に直面しています。理事長さんはじめ理事の皆さんは、どのように向き合っていらっしゃるでしょうか。もしかして「問題はわかっているが先送りしたい」「次の理事長がやってくれる」「自分が苦労することはない」「下手に積立金の値上げをすれば住民から恨まれる」「自分も歳だそんな元気はない」などと思っていらっしゃいませんか? 実はこのように正直にお悩みを訴える理事長さんがとても多いのです。 特に任期一年で理事改選の管理組合に多いような気がします。 困ったことですが、問題を直視せず、他所のマンションの情報も知らず、どこにも相談せず、月一回の理事会で目の前の業務処理だけ済まし、任期が終わるのを待っている。これこそがマンション管理組合が抱える問題を深刻化させているのです。 最近私が相談員を務めた管理組合の交流会で、参加された理事長の皆さんが揃って訴えたのは、役員のなり手不足、高齢化、建物の老朽化、管理会社への不信、資金不足など、ほぼ全てのマンションに共通する問題でした。実は理事長の皆さんはお互い同じ問題に直面していたのです。 役員のなり手不足 役員を引き受ける人が少なく、老人ばかりが残っているという実情があります。ある理事長さんは(できない話ですが)賃借人を理事に据えるしかないのではとまでお悩みでした。 住人の高齢化 住人全員が80代のマンションも例外ではなくなりました。高齢者が多いマンションでは、管理組合の維持・運営そのものが難しくなっています。今や待ったなしです。 建物や設備の老朽化 特に給排水管の交換は計画的に手当てをしなければ、資産価値に大きく影響します。 資金不足 ある管理組合では、年金暮らしの住人に積立金の値上げに絶対反対と言われ、住民の意見と修繕費用の増大に挟まれてジレンマに陥り、立ち往生している理事長さんがいます。 これらの問題の根底には、内部だけで処理しようというマンション管理組合の閉鎖性があります。住民間のコミュニケーションが不足し、他の管理組合との交流もなく、専門家の話を聞くこともない。問題が深刻化しているにも関わらず、相談もせず、役員揃って見て見ぬふりをして先送りばかりしている、そんな管理組合が多いのが実情です。 交流の重要性 今回の管理組合の交流会では、参加者たちが悩みを寄せ合い、前向きに話し合い、共感を深めつつ問題解...